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初めてヤフーオークションに参加してから20年ほどになる。

いろんな物を出品したり落札したり、当初はメールで取引先とやりとりし、評価の文章もテンプレなんてものはなかった。自分でイチから書く。

普通に人と人とのやりとり。

ごく少数トンデモな品物を送ってきた輩もいたが、大多数は良い人。


それがフリマアプリが台頭してきてからは様変わり。

住所もメッセージも書く必要は無く、振り込みにATMへ行く必要も無い。

クリック数回で全て終わる。

買い手側の場合なんかはそれで到着を待つだけだ。


昨年秋に、ビデオデッキを落札した。

溜め込んだビデオカセットをHDデッキにダビングするためだ。

欲しかったのは人気の型番で中古にしてはそこそこの金額だが、出てきた所を狙いをすまして落札。


しかしタイミング的に仕事が忙しい時で、先方に到着のメッセージは送ったものの、動作の確認は出来なかった。

あっという間に時間が経ち、3ヶ月後の今年2月。

やっと開梱したら中古にもかかわらず本体もリモコンも新品同様にピカピカ。

出品者は自身で修理をされるそうで、必要なケーブルと、かつては紙だった取説がDVDにPDFとして収録されて同梱されていた。ネットの取引メッセージには古いテープを使用する時の注意点なども書かれていた。


で、入っていたテスト用のビデオカセットを再生。

オクでは「品物が到着後、同梱のカセットが無事再生できたらお取り引き終了」とあったのだ。

トラッキングを調整してもチラつきが気になるが、想定内。30年近く前に製造されたハードだもの。

次に手持ちの40年近く前のビデオカセットを再生した。

こちらもチラつきに加え音声のたわみが気になるが、きっとテープが伸びているのだろう。むしろ再生できるだけでも偉い。ポリエステルだかPETだか知らないが、テープ偉い。


ビデオテープ→HDデッキのダビングは、テープを再生しながらでないと出来ないので(この辺デジタル信号と違うよなあ)流しながらデスクワークをする。
当時、テレビの前で必死で操作しながらリアルタイムでCM抜きをして録画した映画なぞは、今やくっきり鮮明なブルーレイやDVDが販売されているので、これは未練無く処分できる。

むしろ無造作に録画されている雑多なバラエティ番組やCMたちが、時代のアーカイブとして面白い。


ビデオテープには中にインデックスなど無いから何がどこに入っているかは、こまめにラベル等に書いていないとわからない。

そして、40年カセットを持ちっぱなしの私がこまめなわけがない。まるっと1本ダビングして、番組分けなどはあとからデジタルでしたほうが簡単だ。

ビバデジタル、ビバ平成、ビバ令和。


そんな感じで1本をダビングして、カセットをイジェクトしようとした…ら、出て来ない。

最後まで巻いたら取り出せたので、次のを入れようとしたら…入りにくい?
フロントローディングが不安定。一抹の不安を感じながら2本めをダビング。

しかしまた出て来ない。イジェクトボタンを押しても中で上下をくり返すだけ。
再生も巻き戻しも早送りも出来るが、イジェクトしようが電源を入れ直そうが出て来ない。


さーどうしたもんか。

取引後3ヶ月経ってしまっているので初期不良じゃない。

テスト用のテープは再生出来たし。

でも現実に結構お高かった新古っぽいピカピカのビデオデッキはウンとかスンとかはいうが、某バンドのラストライブのカセットをくわえ込んだまま。なんなら永遠にこのライブだけ見ていられる(^_^;)

さあ、どうする?


ー続くー